10月からの「月9」ドラマ「東京DOGS」がはじまり、家族のリクエストで録画したおいたのを昨夜観ました。私はまったく予備知識もなく、何の期待もせず観ていたのですが...

半分コメディのような刑事物なのですが、小栗旬の使っていた銃を見て驚いた。何と私の大好きなKimber(キンバー)ではないか! Kimberとはアメリカのカスタム・メーカーで、主にコルト1911通称ガバメントと呼ばれている45口径オートマチック・ピストルの仕様で、高性能なカスタムガンを比較的安価に製造している会社です。7年ほど前にロサンゼルス警察のSWAT(LAPD-SWAT)で採用されたことによって一躍有名になりました。映画『SWAT』にも、その銃が登場します。私はそれよりずっと以前から好きで、ガスガンやモデルガンを集めていました。

このドラマを見た当初はまさかKimberとは思わず「ほーっ、なかなか良い1911カスタム使っているな」と思っていたのですが、上の写真に写っているのとは反対の向きに、特徴的な"Kimber"の刻印がありまして、それがちらりと見えたのです。それで思わず「キンバーだ!」と叫んでしまいました。最近の日本の刑事物ドラマではハリウッド映画に負けないほど、いろいろな銃が登場するようになりましたが、Kimberが出てくるのは恐らく初めてでしょう。

もちろん日本ですから本物の銃ではなく、プロップと呼ばれる撮影用のモデルガンです。多分、LAPD-SWATが使っているモデルのコンシューマ(一般人)向けモデルである「Custom TLE II」がベースだと思うのですが、トリガー(引き金)が違っていました。

Kimber Custom TLE II
上の写真(KimberのHPより)のように、スリーホール、つまり穴が3つ空いているタイプが本当なのですが、ドラマで使っていたのは下の写真のように、ツーホール、つまり穴は2つだったのです。このツー・ホール・トリガーは、昔からKimberのコンシューマ向けカスタムの特徴なのですが、今回のような警察向け(Law Enforcement仕様)の銃には通常、スリーホールが適用されるのが普通です。
※小栗旬が演じている刑事はアメリカ帰りという設定ですから、彼がいたのがLAPDで、その時に知り合いのSWATから銃を入手したか、またはそれを気に入って自分で購入し、それを個人でカスタムした...という設定かな?

Kimber Tactical Custom II
このドラマのプロップ担当者(殺陣師)は、かなりのマニア、特に私と同じKimber好きではないかと推察されます。 ※この写真の銃は、KimberのHP掲載のコンシューマ向けカスタムです。
ついでに、私が常にパソコンのそばに飾っている銃が以下です。

WA Custom TLE II + Surefire X200 weaponlight
下部に取り付けてあるのは、SureFire製の実銃用LEDフラッシュライトです。SWATでも通常仕様としてライトは必需品です。単に照明として使うだけでなく、簡易照準と相手への「目くらまし」として使われます。
ドラマではこの銃の他にも、相棒の水嶋ヒロが、SIG P226という高価なドイツ製銃を、その子分がアメリカで最もポピュラーなグロックを使っていました。敵役の成宮君は、コルト・パイソン、ベレッタM92F等いろんな銃を使ってましたし、ヤクザ達も、絶対使わないだろうと思われるドイツ製H&Kのサブマシンガンやアサルトライフルを使っていました。とにかく高性能銃を使いまくりでしたね。ちょっとリアルリティに欠けてました。
※小栗君が「コルト・パイソン」のことを「コールド・パイソン」と言っていたような気がしたが、違う?
それとキンバーでは14発撃ってからマグ・チェンジ(弾倉の交換)してたような...
本当は1マガジン7発です。
ただし、銃の使い方の指導はウマイ! 警察官はちゃんと、トリガーに指を掛けないようにしていましたし、両手でのグリップの仕方も正しいやり方でした。これはリアリティがあり、見ていて気持ちが良かったですね。プロップの出来も良く、排莢(薬莢が飛び出る様子)もよく出来ており、発射音も研究されていました。リコイル(反動)はまだまだですが、他と比べるとマシです。とにかく今までの日本のドラマにはなかった徹底ぶりです。昔の「西部警察」や「あぶない刑事」は見ていて腹が立ちましたが、今回の東京DOGSは合格です。やっと日本のアクションもここまで来たか!という感じがしました。皆さんも一度、観てみてください。